「ボイラ」という名前はよく聞くけれど、「ボイラが何か」ということは上手く説明できないという方も多いのではないのでしょうか?
ボイラは私たちの日々の生活から、直接的にも間接的にも切り離すことができないものです。
なかなか目にする機会がない存在なのですが、あなたの身の回りにはボイラの仲間たちが多く利用されています。
工場・ビル・デパート・マンション・病院・ホテルなどの大きな建物の大半は、熱源としてボイラが利用されているのです。
ボイラってなに?
ボイラは、
密閉された容器の中に水を入れて加熱し、
蒸気や温水を作り出す機械です。
第一次産業革命にボイラが誕生
ボイラの誕生は古く、18世紀の第一次産業革命にまでさかのぼります。
それまで手作業で行なっていた綿織り物などの仕事が機械化。
さらに、それらの機械を動かす動力として蒸気(ボイラの原型が誕生)が利用され、生産力向上に貢献しました。
また、ボイラをもとに、蒸気機関が開発され、交通機関へ応用されたことで、
遠くまで効率的に人やモノを輸送できるようになりました。
蒸気機関は内燃機関へと移り変わりましたが、
ボイラは今も熱源の主役として様々なところで活用されています。
一般的な定義では、
密閉した容器内に水又は熱媒(特殊な油など)を入れ、
これを火気、燃焼ガスその他の高温ガス(廃ガス、高炉ガス等)又は電気によって加熱し、
圧力のある「蒸気」又は「温水」を作り、これを他に供給する装置。
ボイラ本体・火炉・付属装置及び付属品によって構成されているというものなのです。
小型貫流ボイラが産業用ボイラの主流へ
発電事業等大容量タイプを除いた産業用ボイラ市場では、
炉筒煙管ボイラや水管ボイラが主流でしたが、1959年に貫流ボイラが誕生し
約半世紀の間に産業用ボイラ市場の約8割が貫流ボイラに移行しました。
ボイラがエネルギーに変わるまで
蒸気が熱エネルギーになり利用される、
その過程を紐ときます。
発電の仕組み
ボイラの原理は、本体に入れた水や液体を火炉で加熱して水蒸気や温水を作り、利用する方式です。
本体は密閉された圧力容器で、火炉から定義された熱源で加熱して本体の温度と圧力を高めます。
発生した高圧の水蒸気が付属施設内のパイプを通過する間に周囲の大量の水を温めるのが温水を作るタイプの仕組みです。
蒸気を作るタイプは、発生した蒸気をそのまま動力として利用します。
ボイラがつくる蒸気を理解する
蒸気は、水を蒸気にするために加えられた熱量を蓄え、
熱エネルギーとして様々な用途に利用できます。
蒸気のメリットは?
-
身近な
水が原料に
なる -
圧縮して
送ることが
できる -
お湯に比べて
約6倍の
熱エネルギーが
蓄えられる -
水が原料
なので
安全・衛生的 -
水に戻っても
再利用
できる
ボイラ設備はどこで使われてるの?
蒸気は、私たちの日常生活に欠かせない身近なものですが、
産業分野でも縁の下の力持ち的な存在として幅広く使われています。
例えば食品・飲料業界、化学・石油業界、紙・パルプ業界、鉄鋼業界などの現場で、とても重要な役割を担っているのです。
CHEMICAL FACTORY
化学工場POWER PLANT
発電所BIOMASS
バイオマスPAPER MILL
製紙工場